選ばなかった道の先に何があるか

近くの山へ美しい景色を観に行った。
下山の時、来た道を帰ればいいものを
まだ一度も通ったことのない「未知の道」を、
下りたのが失敗のはじまりだった。

最初はまだ普通に車道が見えていたけれど、
だんだん細くなり、
山の5号目辺りまで下りたとき、
「ここから進入禁止」の看板が現れる。

落胆と焦りが蠢き──
Uターンする空間もなく
そこからバックで山頂へ戻ることなど到底不可能。
辺りはだんだん暗くなっていく。

向かう道すがら、
熊の親子、続いてイノシシが道をトコトコ通る…
手入れをしていない森の道ゆえに、
木が道をふさぎ、見通しが悪い。

引き返すことも、止まることもできない──
ただ前へ進むしかない。
想定外の険しい山道を、カンで下りていき、
もう車の側面は木の枝の引っかき傷だらけ。

私は下りながら考えていた。
 あぁ、なんてことだ、、
 まるで自分の人生そのものだ──
 自ら決めた危険な道へ向かうたびに、
 失敗、絶望、後悔、コワい想いを、
 たくさんしてきたことを思い出す。
 また予期せぬ遭遇も多かった
 (しかし、経験しなければ今はない)

太陽の方向を頼りに、
今自分がいる方位を確認して走り続け、
ようやく梨園が見えてきた。
人が行き来する可能性のある道…
 あぁ、助かった。

   

選ばなかった道、つまり
元来た道=想定内の道を帰っていれば
熊やイノシシに会うことはなかったし
車が傷つくこともなかった。
もっと早く帰って、
想定内のコトをしていたでしょう。

しかし、
険しい道を選んだおかげで
コワい想いをしたけれど、
あの空間でしか味わえない風景を見ることができた。
人が手を加えない大自然とはこういうものだと
ちょっぴり感じることができた。

   

     

人生とは選択と経験の連続

人生において、
自ら選んだ道により、
あなたは傷ついたかもしれない。
別の道を選べばどうなっていたかなと
想像はしても、
実際その道を選んでいないということは、
その先には何の物語も存在しない。

幸せになっていただろうに、と思うのは自由。
しかし、選ばなかった道の先は、
ただブツッと途切れているだけ。
その先に連なる道は無い。
選んでいないのだから、
道はつながっていないのです。

道が無ければ、
その先に展開される人生も存在しない。
だからそんなことを悔やんでも仕方がない。
岐路で進む先を選んだのは自分。
選んだその瞬間から、
選んだ方の先にしか道は伸びていかない。
人生とは選択の連続なのです。

 

選ばなかった道の先には何もない。

あるのは、
自分が決めた道の
今という点、点、点………
つねにそれが限りなく続く。

    

 

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