静まりから生まれるもの

ひとり静まる生活
Our Life in Solitude

独りきりになれる場所を持たなければ
自分の生活が危うくなることに
わたしたちはうすうす気づいています。

沈黙なくして語られる言葉は
その意味を失うこと
聴くことなくして語られる言葉は
もはや癒す力がないこと。

そして
隔たりを持たない近さは
救済をもたらさないことを
どこかで分かっているのです。

独りきりになる場所を持たないと
何をしたとしてもたちまち内実の伴わない
見せかけになってしまうことを
すでにわたしたちは知っています。

沈黙することと語ること
離れ退くことと深く関わること
距離を取ることと近づくこと
独りきりになることと共同体に生きること。
また
これらの間に注意深くバランスを保つこと。

内なる自由は
独り静まるなかで育まれます。
独りきりになる所のない生活
つまり
静かな中心を持たない暮らしは
簡単に破滅的なものになってしまいます。

自分が何者であるかを証明するものとして
自分の活動の結果だけにしがみついていると
わたしたちは物事に執着するようになり
自分を守るために身構えるようになります。

そして
他の人を見る目が変わってきます。
命の賜物を分かち合う友としてより
なるべく近づきたくない敵として
見るようになるのです。

独り静まるなかで
自分の執着心で凝り固まった幻想の正体を
だんだんと見ることができ
そして
本当の自分とは
自力で勝ち取ったりするものではなく
与えられるものであることに
目が開かれてきます。

この静まりのなかでこそ
何を持っているかより
生きている自分の存在自体が大切であること
また
努力した結果より
わたしたち自身のほうがはるかに尊いことが
分かってくるのです。

独り静まるなかで
わたしたちの命は
奪われないように守るべき所有物ではなく
他の人と分かち合うべき賜物であることに
目が開かれてきます。

独り静まると
自分の価値とは
どれほど人の役に立つか ではないと
気づくようになります。
その思いにとらわれずに
のびのびと年を取ることができ
自分が計画したわけではないのに
何らかの奉仕を人にすることができるようになります。

そして
この世に依存*することが少なくなればなるほど、
(*それが、父、母、子ども、職歴、功績、あるいは報酬であっても)
失わないようにと守るものも少なくなり
むしろ分かち合うことがたくさんあることに
気づくようになります。

この世に属さずこの世に生きる

もしあなたが
さまざまな活動やかかわりの真っただ中に
独りになる所を作り出すことができるなら
しだいに成功や失敗に
こだわらなくなることでしょう。

そして
真剣に取り組みながらも
しだいに微笑みを浮かべられるようになるでしょう。
さらに
あなたの他の人への関心は
自分の必要からではなく
その人々の必要によって
動機づけられたものになるでしょう。

つまり
配慮することができるのです。
ですからわたしたちは
日々の暮らしを精一杯生きると同時に
朝早くまだ暗いうちに目を覚まし
独りきりになれる空間に<在る>ことを
忘れないようにしようではありませんか。

(『静まりから生まれるもの』ヘンリ・ナウエン著より抜粋 )

 

The Power of Silence

独りになること
そして
沈黙することは
逆説的ですが
はじめは一人きりでするよりも
そのことのためのリトリートに参加して
友とともに過ごすほうがしやすいです。

深い静まりの中から生まれた
言葉や祈りを
その場で短く分かち合うとき
そこに魂が響きあう交わりが生まれます。

そして
そのような魂の交わりは
それぞれがさらに独りになること
また
沈黙することを
励ましてくれます。

Calmness is power

世界の中にありながら世界に属さない

 

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